フルリノベーションの手順とは?相談から完成・引き渡しまでの流れを解説
「中古マンションを購入して、自分好みの住まいにしたい」
「古くなった住宅を、間取りから全面的に作り直したい」
「フルリノベーションを検討しているけれど、何から始めればよいか分からない」
このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
フルリノベーションは、内装や住宅設備を新しくするだけでなく、住まい全体の使い勝手やデザインを見直す大規模な改修工事です。
ただし、希望する間取りや設備を実現するためには、事前の調査や計画が重要になります。
今回は、フルリノベーションの基本的な手順から、工事中の注意点、完成後の確認事項まで分かりやすく解説します。
1.フルリノベーションとは?
フルリノベーションとは、既存の内装や住宅設備を広範囲に撤去し、間取りや内装、設備などを全面的に見直す工事のことです。
一般的な部分リフォームと比較すると、次のような工事が考えられます。
- 間取りの変更
- キッチンや浴室、トイレなどの設備交換
- 給排水管や電気配線の更新
- 床・壁・天井の全面改修
- 収納スペースの新設
- 建具や照明の変更
- 断熱性や快適性の改善
建物の状態や構造によって、実施できる工事の範囲は異なります。
特にマンションの場合、建物の構造部分や共用部分は原則として自由に変更できません。また、管理規約によって工事内容に制限が設けられている場合もあります。
そのため、最初に建物の状態と工事可能な範囲を確認することが大切です。
2.フルリノベーションの基本的な手順
フルリノベーションは、主に次の流れで進めます。
事前相談 → 現地調査 → プラン作成 → 見積もり → 契約 → 解体工事 → 配管・配線工事 → 下地造作 → 内装・設備工事 → 完成検査 → 引き渡し
それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。
STEP1.希望する住まいと予算を整理する
最初に、リノベーションの目的を明確にします。
例えば、次のような希望を整理しておくと、その後の打ち合わせがスムーズになります。
- 部屋数を変更したい
- 広いリビングを作りたい
- 対面式キッチンに変更したい
- 収納スペースを増やしたい
- 古い配管や設備を新しくしたい
- 落ち着いたデザインの内装にしたい
- 将来の生活を考えてバリアフリー化したい
すべての希望を実現しようとすると、予算を超えてしまうこともあります。
そのため、「必ず実現したいこと」と「予算に余裕があれば実現したいこと」を分けておくのがおすすめです。
また、工事費だけでなく、設計費、仮住まい費用、引っ越し費用なども含めて予算を考えましょう。
STEP2.現地調査を実施する
次に、施工会社が現地を確認し、建物の状態や工事条件を調査します。
主な確認項目は次のとおりです。
- 建物の構造や既存図面
- 床・壁・天井の状態
- 給排水管の位置や劣化状況
- 電気配線や分電盤の状況
- キッチンや浴室などの設置条件
- 間取り変更の可否
- 搬入経路や工事車両の駐車場所
- マンションの場合は管理規約や工事申請の条件
特に重要なのが、解体しなければ確認できない部分の存在です。
壁や床の内部には、老朽化した配管や予想外の段差、過去の補修跡などが隠れている場合があります。
現地調査の段階ですべてを把握できるとは限らないため、解体後に追加調査や補修が必要になる可能性も考慮しておきましょう。
なお、建物の築年数や工事内容によっては、アスベストの事前調査などが必要になる場合もあります。
STEP3.間取りや設備のプランを作成する
現地調査の結果を踏まえて、新しい住まいのプランを作成します。
この段階では、間取りだけでなく、設備の配置や生活動線まで検討することが大切です。
例えば、次のような項目を決めていきます。
- リビング・寝室などの配置
- キッチン・浴室・洗面所・トイレの位置
- 収納の大きさと場所
- コンセントやスイッチの位置
- 照明器具の配置
- 床材・壁紙・天井材の種類
- ドアや収納扉などの建具
- エアコンの設置位置
希望する間取りが、建物の構造や既存配管の位置によって実現できない場合もあります。
特にマンションでは、排水勾配や床下の高さ、梁の位置などが間取り変更に影響することがあります。
デザインだけで判断せず、施工可能かどうかを確認しながらプランを固めましょう。
STEP4.見積もりを確認する
プランがまとまったら、工事内容に基づいた見積もりを作成します。
フルリノベーションでは工事項目が多くなるため、見積書の内容を細かく確認することが重要です。
主な工事項目には、次のようなものがあります。
| 工事項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 解体・撤去工事 | 既存の床・壁・天井・設備などの撤去 |
| 廃材処分費 | 解体材や撤去した設備の処分 |
| 木工事・下地工事 | 間仕切り壁、床下地、天井下地などの施工 |
| 給排水設備工事 | 配管の更新や水回り設備の接続 |
| 電気設備工事 | 配線、コンセント、照明などの施工 |
| 内装工事 | 床材、壁紙、天井材などの仕上げ |
| 住宅設備工事 | キッチン、浴室、洗面台、トイレなどの設置 |
| 建具工事 | 室内ドアや収納扉などの設置 |
見積もりを比較する際は、金額だけでなく、工事範囲や使用する材料、設備のグレードも確認しましょう。
また、解体後に発生する可能性のある追加工事についても、事前に説明を受けておくことが大切です。
STEP5.工事内容を確定し、契約する
見積もりと工事プランに納得したら、正式に契約します。
契約前には、次の項目を確認しましょう。
- 工事内容と施工範囲
- 使用する材料や設備の仕様
- 工事金額と支払い条件
- 工事開始日と完成予定日
- 追加工事が発生した場合の対応
- 工事中の変更に関する手続き
- 保証内容とアフターサービス
口頭での説明だけでなく、契約書や図面、見積書などの書面で内容を確認することが重要です。
工事開始後の認識違いやトラブルを防ぐためにも、契約時点で工事内容をできるだけ具体的に決めておきましょう。
STEP6.解体工事を行う
契約後、必要な申請や近隣への挨拶などを済ませ、工事を開始します。
フルリノベーションでは、既存の内装や設備を撤去する解体工事から始めるのが一般的です。
マンションでは、管理規約や管理組合の承認内容に従い、工事可能な時間帯や搬出経路、養生方法などを守る必要があります。
解体後は、床・壁・天井の内部や既存配管などの状態を確認します。
この段階で、事前の想定と異なる状況が見つかることもあります。
例えば、配管の劣化や下地の傷みなどが判明した場合は、施工会社と対応方法や追加費用を確認してから工事を進めましょう。
STEP7.配管・配線工事と下地造作を行う
解体後の状態を確認したら、新しい間取りに合わせて設備工事や下地工事を進めます。
主な作業は次のとおりです。
- 給排水管の更新・移設
- 電気配線の施工
- コンセントやスイッチの位置決め
- 壁や天井の下地組み
- 床下地の施工
- 間仕切り壁の造作
この工程は、完成後には見えなくなる部分が多いため、フルリノベーションの中でも特に重要です。
仕上げ材を施工した後では確認や修正が難しい部分もあります。
必要に応じて施工状況を写真で記録し、配管や配線の位置などを残しておくと、将来の修繕時にも役立ちます。
STEP8.内装工事と住宅設備の設置を行う
下地工事などが完了したら、内装の仕上げと住宅設備の設置に進みます。
具体的には、次のような工事を行います。
- フローリングなどの床仕上げ
- 壁紙や塗装などの壁仕上げ
- 天井仕上げ
- 室内ドアや収納扉の取り付け
- キッチンや浴室などの設置
- 洗面台・トイレの取り付け
- 照明器具やスイッチの設置
この段階で、事前に決めた仕様や色、設備の配置がプランどおりになっているかを確認します。
コンセントや照明の位置、収納の使い勝手などは、実際の生活をイメージしながら確認することが大切です。
STEP9.完成検査を行う
すべての工事が完了したら、引き渡し前に仕上がりを確認します。
主な確認項目は次のとおりです。
- 床や壁、天井に傷や汚れがないか
- ドアや収納扉が正常に開閉するか
- キッチンや浴室などの設備が正常に動作するか
- 水漏れや排水不良がないか
- コンセントや照明が正常に使用できるか
- 図面や打ち合わせ内容と相違がないか
不具合や修正が必要な箇所があれば、施工会社に伝え、対応方法や完了時期を確認しましょう。
完成検査では、見た目だけでなく、設備が正常に機能するかどうかも重要です。
STEP10.引き渡しとアフターメンテナンス
完成検査が終わり、必要な手直しなどを確認したら、引き渡しとなります。
引き渡し時には、次の書類や情報を受け取って保管しておきましょう。
- 工事完了書類
- 最終的な工事内容が分かる図面
- 住宅設備の取扱説明書
- 設備や工事の保証書
- アフターメンテナンスの連絡先
また、工事中の写真や配管・配線の記録があれば、併せて保管しておくと安心です。
引き渡し後に不具合が見つかった場合に備え、保証の対象範囲や連絡方法についても確認しておきましょう。
3.フルリノベーションにかかる工期は?
フルリノベーションの工期は、建物の広さや状態、工事範囲によって異なります。
一般的な目安として、マンションの専有部分を全面改修する場合、工事自体に2〜4か月程度かかるケースがあります。
ただし、これはあくまで目安です。設備の納期、間取り変更の規模、建物の状況、管理規約上の工事制限などによって変動します。
さらに、工事前の現地調査やプラン作成、設備選定、管理組合への申請などにも時間が必要です。
そのため、入居予定日が決まっている場合は、工事期間だけでなく、計画から引き渡しまでの全体スケジュールを確認しておきましょう。
4.フルリノベーションで注意したいポイント
① 解体後に追加工事が発生する可能性がある
壁や床の内部にある配管や下地の状態は、解体するまで完全には把握できない場合があります。
想定外の補修が必要になることを考慮し、資金に余裕を持たせておくと安心です。
② マンションは管理規約の確認が必要
マンションでは、工事内容や施工時間、資材の搬入方法などに制限が設けられている場合があります。
床材の遮音性能や水回り設備の移設など、管理規約に関係する項目は早い段階で確認しましょう。
③ 予算は工事費だけで考えない
工事費以外にも、設計費、仮住まい費用、引っ越し費用、家具・家電の購入費用などが必要になる場合があります。
中古物件を購入してリノベーションする場合は、物件購入費用や諸費用も含めて総予算を考えることが重要です。
④ 見積もりは工事内容をそろえて比較する
金額が安くても、必要な工事が含まれていなければ、結果的に追加費用が発生する可能性があります。
解体費、廃材処分費、設備工事費、内装工事費など、工事項目と施工範囲をそろえて比較しましょう。
⑤ 変更内容は必ず書面に残す
工事中に仕様や配置を変更する場合は、追加費用や工期への影響を確認する必要があります。
変更内容と金額、工期への影響について、施工会社と合意したうえで書面に残しておきましょう。
5.フルリノベーションは事前の調査と計画が重要
フルリノベーションを成功させるためには、デザインや設備を選ぶだけでなく、建物の状態を正しく把握し、無理のない工事計画を立てることが重要です。
特に、既存の配管や電気設備、構造上の制約などは、完成後の使い勝手や工事費用にも影響します。
また、解体後に想定外の問題が見つかる可能性もあるため、工事内容や追加費用について事前に確認しておくことが大切です。
「どこまで変更できるのか分からない」
「希望する間取りが実現できるか知りたい」
「中古マンションを購入してリノベーションしたい」
「フルリノベーションの費用や工期を知りたい」
このようなお悩みがありましたら、まずは現地調査とご相談から始めてみてはいかがでしょうか。
富士工業株式会社では、建物の状況やお客様のご希望に合わせて、改修工事の計画をご提案いたします。
住まいのフルリノベーションをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。







