鋼材・樹脂製品・断熱材・内装材・住宅設備で改定相次ぐ
2026年は、建築資材や住宅設備の価格改定が、年初から年末にかけて幅広い分野で発表された。春は鋼材や塗料、樹脂製品、配管材など、夏から秋は断熱材、内外装材、住宅設備などに広がり、年末にも鋼板・金属建材や鉄骨関連製品の追加改定が予定されている。
ただし、メーカーの価格改定率は希望価格やメーカー販売価格の改定幅であり、実際の仕入価格や工事費に同率で反映されるとは限らない。また、ここで紹介するのは公表情報を確認できた主な例で、全メーカー・全品目を網羅した一覧ではない。
春:鋼材・塗料・樹脂製品などで改定
春には鋼材、塗料、塩ビ製品などで価格改定が目立った。ヨドコウは鋼板商品や屋根材、金属サイディングなどを5月出荷分から10〜15%改定。積水化学工業は雨とい・波板などを5月20日出荷分から20%以上、カラーパイプ本体を30%以上改定した。ヨドコウの発表、積水化学工業の発表
塗料やシンナーでも値上げがあり、内装材では壁紙、床材、接着剤などの改定が続いた。こうした製品は、原料価格だけでなく、物流費や人件費の上昇も価格改定の理由として挙げられている。住宅関連資材の改定情報
夏:断熱材・配管材・電設資材にも広がる
夏から秋にかけては、断熱材や配管材、電設資材などにも改定が広がった。旭ファイバーグラスはグラスウール全製品と部材を、9月1日出荷分から15%以上改定。労務費、原燃材料費、輸送費の上昇を理由に挙げている。旭ファイバーグラスの発表
設備・配管関連では、未来工業の電材・管材、前澤化成工業の建築設備製品、アロン化成の接着剤・副資材などで改定情報が出ている。電線・ケーブルを含む電設資材も、メーカーや品目によって価格改定が相次いだ。メーカー改定情報一覧、電設資材の改定情報
秋:サッシ・外壁・住宅設備を改定
住宅・建築分野では、LIXILが外壁・屋根を9月1日受注分から平均約13%、住宅サッシ・ドアやインテリア建材を10月1日受注分から平均約13%改定した。エクステリアは約15%、ビルサッシなどは約10%としている。LIXILの発表
住宅設備では、リンナイの給湯機器、パロマの温水・厨房機器、クリナップの住宅設備機器などで改定が行われた。TOTOは12月1日受注分から住宅設備機器の希望小売価格を改定する予定だ。メーカー改定情報一覧、TOTOのお知らせ
年末:鋼板と鉄骨関連製品に追加値上げ
年末に向けては、鋼材・金属建材の追加改定が発表されている。ヨドコウは鋼板商品、屋根材、金属サイディングなどを12月1日出荷分から8%改定する。ヨドコウの12月改定
日鉄建材も、軽量形鋼・角型鋼管・ロールコラムを12月分からトン当たり5,000円値上げすると報じられている。これらは建物の躯体や下地に関わる鋼材で、材料費だけでなく物件ごとの見積もりにも影響する可能性がある。日刊産業新聞の記事
2027年春にはセメントの改定も予定
セメントについては、住友大阪セメントとUBE三菱セメントが、セメント・固化材を2027年4月からトン当たり3,000円以上改定すると発表している。セメント価格の見直しは、生コンクリートの価格にも波及する可能性があり、来春以降の工事費を考えるうえで確認しておきたい動きだ。住友大阪セメントの発表、UBE三菱セメントの発表
値上げ発表と市場価格は分けて確認を
国土交通省の10月調査では、主要建設資材の価格は調査対象品目すべてで横ばい、需給は均衡、在庫状況は普通だった。メーカーの改定発表が続いていても、実際の流通価格や地域別の価格動向は品目・取引先によって異なる。国土交通省の調査
2026年は、値上げが特定の資材に限らず、鋼材、樹脂製品、断熱材、内装材、配管・電設資材、住宅設備へと広がった一年だった。建築やリフォームの見積もりでは、価格の適用日が受注日・出荷日・納入日のどれか、見積もりの有効期限、納期、代替品の有無を確認したい。
本稿は2026年10月30日時点で確認できた公表情報をもとにしています。改定率や対象品目はメーカー・製品によって異なり、全メーカーを網羅するものではありません。







