横浜市が「土地利用誘導戦略」を公表
~これからの横浜の土地利用はどう変わる?~
横浜市では、人口減少や高齢化、産業構造の変化、地域ごとの課題など、これからの都市づくりを取り巻く環境の変化に対応するため、「土地利用誘導戦略」の策定を進めています。
令和8年(2026年)9月には、その「素案」が公表され、現在、市民からの意見募集が行われています。
今回は、この「土地利用誘導戦略」がどのようなものなのか、不動産や土地活用の視点も交えて分かりやすくご紹介します。
■「土地利用誘導戦略」とは?
横浜市の土地利用は、これまで都市計画法や用途地域、市街化区域・市街化調整区域など、一定のルールに基づいてコントロールされてきました。
しかし、社会環境が大きく変化する中で、
- 人口減少・高齢化
- 空き家や空き地の増加
- 駅周辺と郊外での土地利用の差
- 産業・働き方の変化
- 災害への対応
- 脱炭素化
- 地域コミュニティの維持
など、新たな課題が生じています。
そこで横浜市では、地域ごとの特徴や将来像を踏まえながら、土地をどのように使っていくのかを考えるための「土地利用誘導戦略」の策定を進めています。
■ポイントは「地域の特性に応じた土地利用」
今回の戦略では、横浜市全体を一律に考えるのではなく、それぞれの地域が持つ特徴を生かした土地利用が重要になります。
例えば、
●駅周辺
駅の利便性を生かし、住宅だけではなく、店舗・業務・生活サービスなど、多様な機能が集まるまちづくり。
●住宅地
現在の住宅環境を維持しながら、地域の人口構成や将来の需要に応じた土地利用。
●郊外・丘陵地
自然環境や農地などを保全しながら、地域の活性化や土地の有効利用を検討。
●幹線道路周辺
道路交通の利便性を生かし、地域の特性に応じた産業・物流・商業などの土地利用を検討。
このように、地域ごとの状況を踏まえて土地利用を誘導していく考え方が示されています。
■不動産所有者・土地活用にも関係する?
この戦略は、横浜市内で土地や建物を所有している方、不動産を購入・売却しようとしている方にとっても注目すべき内容です。
土地の価値は、現在の用途地域や建築規制だけで決まるものではありません。
今後、
「その地域を横浜市がどのような場所として発展させようとしているのか」
という将来の土地利用方針も重要になってきます。
例えば、現在は土地利用が限定されている場所でも、将来的に周辺の道路整備や駅周辺の活性化、地域の土地利用方針などが変化すれば、不動産の活用方法に影響する可能性があります。
ただし、今回の「土地利用誘導戦略」は、あくまで今後の土地利用を考えるための戦略であり、この戦略によって直ちに建築可能な用途や土地の価格が変わるというものではありません。
具体的な建築・開発の可否については、用途地域、市街化区域・市街化調整区域、接道条件、都市計画、開発許可など、個別の規制を確認する必要があります。
■「市街化調整区域」は今後どうなる?
不動産関係者が特に注目したいのが、市街化調整区域など、土地利用に一定の制限がある地域の今後です。
横浜市には、豊かな自然や農地が残る地域がある一方で、人口減少や高齢化、空き家・空き地などの問題を抱える地域もあります。
そのため、
「自然環境を守る」
だけではなく、
「地域を維持するために、どのような土地利用が必要なのか」
という視点も重要になります。
今後、地域によっては土地利用のあり方や規制の運用について検討が進む可能性があります。
土地を所有している方や、これから土地を購入する方は、現在の規制だけでなく、横浜市の将来のまちづくり方針にも目を向けておくことが重要です。
■今後の横浜の不動産市場にも影響?
土地利用誘導戦略がそのまま不動産価格を決めるわけではありません。
しかし、
「どこに住宅を集めるのか」
「どこに商業・業務機能を集めるのか」
「どこを自然環境として守るのか」
「どの地域の土地を活用していくのか」
という方向性は、長期的には不動産市場にも関係してきます。
特に不動産を購入する際には、
「現在、何が建てられるか」
だけではなく、
「10年後、20年後にこの地域がどうなっているのか」
という視点で土地を見ることも重要です。
■今後の動きに注目
今回公表された「土地利用誘導戦略」は、現在は「素案」の段階です。
横浜市では市民から意見を募集し、今後の検討を進めていく予定です。
今後、具体的な制度変更や都市計画の見直しなどにつながる場合には、不動産所有者や土地を購入・売却する方にとっても重要な情報となります。
特に、
- 市街化調整区域
- 駅周辺
- 幹線道路沿い
- 空き家・空き地
- 住宅地
- 農地・緑地
- 土地利用規制が厳しい地域
については、今後の横浜市の動向を継続して確認することが大切です。
■まとめ
横浜市の「土地利用誘導戦略」は、これからの人口や社会環境の変化を見据え、地域ごとの特性を生かしながら、横浜の土地をどのように利用していくのかを考えるための重要な取り組みです。
今後の土地活用や不動産売買では、
「現在の土地の価値」だけではなく、「将来の土地利用の方向性」
を見ることが、ますます重要になってくるかもしれません。
富士工業株式会社では、横浜市内の土地・建物について、現在の都市計画や建築条件だけでなく、地域の将来計画なども確認しながら、不動産の有効活用や売却・購入について考えるお手伝いをしています。
土地の売却・購入、建替え、土地活用などをご検討の方は、お気軽にご相談ください。


